製造業の原価管理をOdooで改善する方法|部品表(BOM)から実際原価を算出
製品ごとの利益が見えない「どんぶり勘定」はなぜ起きるのか。標準原価と実際原価の違い、OdooのBOM・製造オーダー・作業センターを使った実際原価の把握方法を、部品加工メーカーの導入事例とあわせて解説します。
「売上は伸びているのに、利益が残らない」「どの製品が儲かっているのか分からない」——多品種の部品加工や組立を手がける製造業では、こうした悩みをよく耳にします。原因の多くは、製品ごとの原価を正確に算出できていないことにあります。
本記事では、製造業の原価管理が「どんぶり勘定」になりやすい理由と、オープンソースERP「Odoo」と部品表(BOM)を活用して実際原価を把握する方法を解説します。
製造業の原価管理が「どんぶり勘定」になる理由
部品表と実績データがつながっていない
部品表は設計部門のExcel、購買実績は購買管理の台帳、作業時間は現場の日報——というように、原価の材料となる情報が別々に管理されていると、製品ごとの原価を集計するだけで大きな手間がかかります。
標準原価のまま更新されていない
過去に設定した標準原価(予定の原価)を使い続けていると、材料価格の変動や作業時間の増減が反映されません。その結果、実際には赤字になっている製品に気づけないことがあります。
集計が月末になり、判断が遅れる
原価の集計が月末のまとめ作業になっていると、数字が出そろう頃には既に次の受注判断が終わっています。価格設定や見積の根拠として活用しにくい状態です。
標準原価と実際原価
原価管理を考えるうえで、まず整理しておきたいのが2つの原価の違いです。
- 標準原価:あらかじめ設定した「このくらいかかるはず」という予定の原価。見積や予算の基準になります。
- 実際原価:実際に投入した材料費・加工費(作業時間×費用)などから算出する、結果としての原価。
この2つを比べられるようになると、「どの製品で、どの工程が、予定よりコストを要しているか」が見えてきます。利益率の改善は、この差を把握することから始まります。
Odooで実際原価を把握する仕組み
Odooでは、販売・購買・在庫・製造・会計のモジュールが同じデータベース上で連動します。原価管理に関わる主な要素は次のとおりです。
- 部品表(BOM):製品を構成する部品と数量、必要な工程を定義します。
- 製造オーダー:BOMにもとづいて部品の消費と完成品の入庫を記録します。
- 作業センター:設備や工程ごとに時間当たりの費用を設定し、作業時間から加工費を計算します。
- 在庫評価:品目のカテゴリごとに、標準原価・移動平均法・先入先出法(FIFO)などの評価方法を選べます。
購買した部品の仕入価格、製造オーダーで実際に消費した部品、作業センターでの作業時間がすべてOdoo上に記録されるため、これらをつなげることで実際原価を算出できます。
標準機能で足りない部分はアドオンで補う
部品加工と組立を組み合わせた多段階の部品表や、自社特有の配賦ルールを持つ場合、標準機能だけでは求める粒度の原価が出せないことがあります。その場合は、自社の計算ルールに合わせた原価計算モジュールをアドオンとして開発します。
導入事例:部品加工・アセンブリメーカー様
DGテクノでは、部品加工・アセンブリを手がける中小製造メーカー様にOdooを導入しました。
- 課題:製品ごとの原価を精緻に算出する仕組みがなく、どんぶり勘定に近い状態
- 支援内容:業務要件定義、BOMから実際原価を算出する独自モジュールの開発、マスタデータの移行
- 期間・体制:約4ヶ月 / 4名体制
- 成果:どんぶり勘定から脱却し、製品ごとの利益率を正確に把握できるように
詳しくは導入事例ページをご覧ください。
原価管理を始める前に準備しておきたいこと
- 部品表の整備:設計変更が反映された最新のBOMがあるか、品目コードが統一されているかを確認します。
- 工程と作業時間の洗い出し:どの設備・工程で、どれくらいの時間がかかっているかを把握します。
- 原価の計算ルールの合意:間接費の配賦方法など、経理・製造・営業で計算ルールを揃えておきます。
まとめ
製造業の原価管理を改善するには、部品表・購買実績・作業実績を1つのシステム上でつなげることが重要です。OdooはBOM・製造オーダー・在庫・会計が連動するため、実際原価を把握する基盤として適しています。自社特有の計算ルールには、アドオンで対応できます。
DGテクノは、製造現場での実務経験をもとに、Odooの導入から稼働後の運用・保守までを支援しています。導入の進め方についてはOdoo導入の進め方と期間の目安もあわせてご覧ください。原価管理のご相談は無料相談から承ります。
